スラムダンク SLAM DUNK
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まず結論から
点数をつけるのが難しい作品というのがある。スラムダンクはその逆で、点数をつけるのが一番簡単な作品だ。10点以外ありえない。
バスケットボールを知らなくても関係ない。スポーツマンガが苦手でも関係ない。読めばわかる。これはマンガという表現形式が到達できる、ひとつの頂点だ。
ストーリーについて
不良少年・花道が、ひょんなことからバスケ部に入部するところから始まる。王道の少年スポーツマンガの骨格を持ちながら、その肉付きが普通じゃない。
花道は最初から才能の塊ではない。むしろ運動神経はともかく、バスケの技術はゼロ。そこから積み上げていく過程が、嘘くさくなく、かつドラマチックに描かれる。
そして何より、山王工業戦。あれを超える試合描写をマンガで読んだことがない。読んでいる間、何度も心拍数が上がった。マンガでそれができるのか、と。
キャラクターについて
花道だけじゃなく、全員が生きている。流川も、三井も、宮城も、ゴリも。それぞれに背景があって、それぞれに見せ場があって、それぞれの成長がある。
特に三井の話は反則だと思う。あのエピソードだけで一本マンガが描けるくらいの密度がある。回想なのに、あれほど感情を動かされるとは思っていなかった。
対戦チームのキャラクターも薄くない。翔陽、陵南、海南、豊玉、山王。どこも「こいつらには負けてほしくない」と思える瞬間がある。それがスラムダンクの強さだ。
絵・演出について
井上雄彦の絵は、動きを描くことにかけて別次元にいる。バスケの試合中の動き、重力、汗、息遣い——それが紙の上から伝わってくる。
無音のコマ使いが特に天才的だ。言葉を使わずに感情を伝える演出が随所にあって、それが言葉で説明されるよりもずっと深く刺さる。
有名な「左手はそえるだけ」のシーンなど、一コマで全てが語られる場面がいくつもある。マンガのコマ割りとはこういうことなんだと毎回思わされる。
気になった点
正直に言うと、序盤はテンポが遅いと感じる人もいると思う。ギャグシーンが多く、真剣なスポーツドラマを期待して読み始めると「あれ?」となるかもしれない。
でもそれは後半の熱量への助走だったのだと、読み終わってから気づく。序盤があるから後半が輝く、という設計になっている。
あと、あの終わり方については賛否あると思う。自分は好きだが、「え、ここで終わるの?」という気持ちになったのは正直なところだ。
総評
スポーツマンガの金字塔とよく言われるが、それ以上だと思っている。成長、友情、挫折、再起——少年マンガが持てる要素のすべてが、バスケットボールというフィールドで爆発する。2000冊以上読んできた中で、「これを読まずにマンガを語るな」と言いたくなる数少ない作品のひとつ。
👍 こんな人におすすめ
- スポーツマンガをあまり読んだことがない人
- キャラクターの成長を丁寧に追いたい人
- 映像ではなくマンガの表現力を体感したい人
- 完結済みで一気読みしたい人
👎 こんな人には向かないかも
- 序盤のギャグ展開が苦手な人
- すっきりした結末を求める人
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