まず結論から
ピッコマで毎週楽しみに読んでいる作品。韓国発の縦スクロール(スマートーン)作品で、転生した主人公が「武・知・金」を武器に世界を切り拓いていく、爽快な成り上がりアクションだ。
戦闘シーンの熱さ、影響力を拡大していく快感、そしてとてつもない資産を手にしてもブレずに敵対勢力と戦う主人公の芯の強さ。この三つが揃っているのが本作の魅力で、毎週の更新を待ちわびる作品になっている。
どこで読めるのか — ピッコマ独占配信
先に大事な情報を書いておきたい。「ゴッド オブ ブラックフィールド」は、日本ではピッコマでしか読めない。
2020年4月からピッコマで配信が始まった韓国ウェブトゥーン作品で、ebookjapanにもAmazonにも楽天にも日本語版は無い。日本語で楽しみたいならピッコマ一択だ。「他のところには無いかも?」という最初の感覚は正しい。
ピッコマには「待てば¥0」という機能があって、特定の時間が経過すれば1話を無料で読める。一気読みしたい人は有料で先に進めるが、自分のように「毎週楽しみに待つ」読み方なら、待てば¥0でほぼ無料で読み進められる。これがこの作品との付き合い方として、自分にはちょうど合っている。
なお、原作のウェブ小説は韓国の作家・武将(ムジャン)によるもので、漫画版は韓国カカオウェブトゥーンで先行連載されている。韓国語が読めれば先読みは可能だが、日本語で追うなら素直にピッコマで毎週楽しむのが正解だと思う。
どんな漫画か
主人公は西恭弥。前世はフランスの精鋭傭兵部隊「死神(リーパー)」の隊長で、アフリカでの任務中に仲間の裏切りで命を落とす。次に目を覚ますと、屋上から転落して意識不明だった同姓同名の日本の高校生の体に転生していた——という導入。傭兵の経験と知識を持ったまま、若い肉体で人生をやり直す物語が始まる。
ここから恭弥は、「武」「知」「金」の三つを武器に世界を拡大していく。武は前世で培った戦闘技術、知は傭兵時代に培った情報網と判断力、金は若き経営者として築いていく財力。それぞれが相乗的に効いてきて、主人公の影響範囲が章を進むごとにどんどん広がっていく。
展開はスピーディで、1話ごとに何かが進む。縦スクロールマンガに慣れていない人にも勧めやすいテンポの良さが、本作の取っつきやすさを支えている。
戦闘シーンが熱い
アクションシーンの熱さは、この作品の中核のひとつだ。
恭弥が前世で培った特殊部隊の技術が、現代の日常に持ち込まれる。素手の格闘、銃器の扱い、戦術判断、心理戦——どれを取っても「ちゃんと強い」描写になっていて、強さの根拠がフワッとしていない。「最強です」という設定だけで強くしているのではなく、「こういう経験を積んだから、こういう動きができる」という積み上げで強さが説明されている。これが説得力を生んでいる。
縦スクロールという媒体特性も、アクションを引き立てている。1コマ1コマがスマホ画面いっぱいに広がるので、決め技のタイミングや爆発のスケールが、紙のマンガより視覚的にダイレクトに刺さる。スマートーンの強みが最も活きるジャンルがアクションだと、本作を読んでいると改めて感じる。
影響力を増していく快感
本作のもうひとつの楽しみは、主人公の影響力がどんどん広がっていく成り上がり物語としての気持ち良さだ。
最初は一人の高校生から始まり、徐々に仲間が増え、組織を持ち、企業を作り、資金を動かし、政治・国際社会にまで関わっていく。「ステージが上がる」感覚を、何度も繰り返し味わえる構成になっている。これは成り上がり系の作品が持つ普遍的な魅力で、本作はそれをスピーディに、かつ説得力を持って描いてくれる。
読者として「次のステージはどこまで行くんだろう」と先が気になり続ける。1話単位で読みやすい媒体なのに、一度読み始めると延々とスクロールしてしまうのはこの引力のせいだ。
資産を手にしてもブレないカッコよさ
そして自分が一番惹かれているのはここだ。
主人公の恭弥は、物語が進むにつれてとてつもない資産と権力を手にしていく。普通こういう作品は、富や権力を得たキャラクターが少しずつ堕落したり、生き方を見失ったりするのが定番だ。でも恭弥はブレない。金を手にしても、地位を手にしても、人脈を広げても、彼の戦う相手は変わらない。守るべきものが何かを見失わないし、敵対勢力に対して引かない。
これは少年漫画の主人公にはよくある芯の強さだが、「成り上がり物語」のジャンルの中で、ここまで一貫してブレない主人公はあまりいない。富と力で堕ちていくキャラクターを描く作品が多い中、恭弥は富と力を「目的」ではなく「手段」として扱い続ける。だから何巻読んでも、彼の根っこは最初の傭兵時代と地続きだ。
資産を手にしてもブレずに戦うところに惹かれている。これは自分が成り上がり物語を読むときに、無意識に求めていた要素だったのかもしれない。
絵・演出について
作画担当のSINの絵は、韓国ウェブトゥーン特有の写実寄りタッチ。男性キャラの骨格・筋肉・表情の描き込みが日本の青年漫画に近く、馴染みやすい。アクションシーンの動きの切り取り方が良くて、決めゴマが画面いっぱいに刺さる。
縦スクロールという媒体上、「スクロールしていくと爆発が画面に降りてくる」「銃口がスマホ画面に正面から向く」のような、紙のマンガでは作りにくい演出がたくさん入っている。これを浴びるためだけにも縦スクロールで読む価値がある。
気になった点
縦スクロールに慣れていない人は、最初の数話で読み方に戸惑うかもしれない。日本のマンガとはコマ運びの感覚が違うので、慣れるまで少し時間がかかる人もいる。ただ、3〜5話も読めば自然と縦読みのリズムに乗れる。
それから、ウェブトゥーン全般に言えるが、1話あたりの情報量は紙のマンガより少なめなので、紙の単行本1冊レベルの読み応えを期待すると物足りなく感じることもある。これは「待てば¥0で毎週ちょっとずつ読む」という付き合い方が、媒体に合っているとも言える。
あとは現状連載中で、シーズン3まで進んでいるが完結はまだまだ先。最後まで読み切りたい派には現時点では不向きだが、「毎週の楽しみとして気長に追う」スタイルに合う作品。
- ハードボイルドなアクション漫画が好きな人
- 転生+成り上がり系のジャンルが好きな人
- 韓国ウェブトゥーン未体験で入門したい人
- ピッコマで毎週の楽しみを作りたい人
- 芯のブレない主人公が好きな人
- 紙の単行本派の人(電子配信のみ)
- 縦スクロール慣れに抵抗がある人
- 完結作の一気読みを求める人
戦闘シーンの熱さ、影響力を拡大する快感、そしてブレない主人公。この三本柱で毎週楽しませてくれる、ピッコマ独占の韓国ウェブトゥーン。日本ではここでしか読めないという独占性も含めて、ピッコマと韓国ウェブトゥーンを語るときに外せない一作だと思う。毎週の楽しみを作りたい人には、待てば¥0で気軽に始められる入門作としても勧めやすい。
日本で読める唯一の場所。「待てば¥0」で1話単位で無料配信されているので、毎週の楽しみとして気長に追うスタイルが合う。先読みしたい巻だけ有料で進めるのも自由。
ピッコマで読む →23時間ごとに1話分の無料チケットが回復する仕組み。毎日アプリを開いてチケットを使えば、ほぼ無料で読み続けられる。気が向いた時にまとめて読みたい人は、有料コインで先に進めるオプションあり。
作品ページで詳細 →日本での紙書籍化・他電子書店配信は無し。韓国版はカカオウェブトゥーンで先行配信、原作のウェブ小説は武将(ムジャン)が手がけている。日本語で楽しむなら、現状はピッコマ一択。
ピッコマへ →